世界の人口の55%、温室効果ガス排出量全体の70%を占める都市は、気候変動による危機の最前線におり、ゼロエミッションの実現とレジリエンス(回復力)のある地球を構築するために、重要な役割を担っています。
世界の気温上昇を産業革命前に比べて1.5℃に抑えるためには、2030年までに温室効果ガス排出量を45%削減し、2050年までにネットゼロの達成を早急に実行しなければならないことが科学に基づいて報告されています。
都市は、この低炭素な未来への変遷に重要な役割を担っています。都市にとって、排出削減に関する『科学に基づく目標(Science-Based Target: SBT)』を設定することは、都市がグローバルな目標に沿っていることを確認するために最も良い方法です。気候SBTは、2030年までに排出量を半減させ、2050年までに世界的にネットゼロを達成するために必要な世界の排出削減の公平な分担を示す、都市全体の排出削減目標です。
ネットゼロを達成するための目標年を設定することはもちろん、都市が長期的な目標に沿って取り組みを進め、その過程の進捗状況を把握するためにも、中間目標の設定は不可欠です。
世界の都市は、気候変動問題に対する様々な歴史的責任があると同時に、気候変動問題に対処するための能力を現在持ち合わせています。科学に基づく目標を設定することで、目標が排出削減の「公平な分担」を担うことを保証します。
つまり、グローバルの目標は2030年までに温室効果ガスを45%削減することですが、各都市に要求される削減レベルは、このような公平性を考慮した上で、それよりも高くなったり低くなったりする可能性があります。
CDPは、排出削減SBTを設定、確認、開示する自治体を積極的に支援します。支援を受けるためには、CDP-ICLEI Trackに現在のまたは更新した目標を報告してください。
さらなるサポートのために
質問がある場合は、[email protected]までご連絡ください。
ICLEIとC40のメンバーである都市・自治体は、これらの組織から目標設定の支援を受けることができます。
Race to Zeroは、COP26の議長国およびハイレベル気候チャンピオンが実施する国際的なキャンペーンです。 将来の脅威を防ぎ、適正な雇用を創出し、包括的かつ持続可能な成長を可能にする、健全で強靭なゼロカーボンの移行に向けて、企業、都市、地域、投資家のリーダーシップと支援を結集することを目的としています。Cities Race to Zeroは、 CDP、C40、GCoM、ICLEI、都市・自治体連合(UCLG)、WRIとWWFの連合体で、都市・自治体がキャンペーンに参加するためのものです。SBTを設定することは、 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のRace to Zeroキャンペーンにおける重要な要素です。
都市・自治体はCities Race to Zero への参加により、以下のことを誓約します
www.citiesracetozero.org では「Cities Race to Zero」に関する詳細情報を入手し、参加することができます。